ニキビ治療ガイド 薬・腸活・生活改善で美肌を手に入れる方法

前回に引き続きニキビと腸に関して、今回は治療法や日常で気をつける具体的なポイントについてお伝えします。

治療法

ニキビの治療は、症状の重症度に応じて内服薬と外用薬を組み合わせて行います。それぞれ具体的な薬剤名も出して解説します。

・外用薬

ディフェリンゲル(一般名:アダパレン)

アダパレンはレチノイド様化合物で、角質細胞の分化異常を正常化します。これにより、毛穴の詰まりを防ぎ、新たなニキビの発生を抑制します。また、抗炎症作用もあり、既存の炎症性ニキビにも有効です。主に軽度から中等度のニキビに使用されます。顔全体に薄く塗布することで予防的効果が得られますが、初期に皮膚の乾燥や刺激感が見られることがあります。そのため、保湿剤の併用や使用量の調整が必要です。

ベピオゲル(一般名:過酸化ベンゾイル)

酸化作用を持ち、毛穴内のアクネ菌を殺菌します。また、角質剥離作用により毛穴の詰まりを改善し新たなニキビの形成を防ぎます。抗菌薬とは異なり耐性菌を生じないため長期使用が可能です。軽度から中等度の炎症性ニキビに適応されます。ただし、皮膚への刺激感や乾燥を引き起こすことがあるため、使用開始時には注意が必要です。

ダラシンTゲル(一般名:クリンダマイシン)

抗生物質の一種で、アクネ菌などの細菌のタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑制します。これにより、炎症性ニキビの悪化を防ぎます。単剤使用では耐性菌が発生するリスクがあるため、過酸化ベンゾイルやレチノイド製剤(例:ベピオゲル、ディフェリンゲル)との併用が推奨されています。

アクアチムクリーム/ローション(一般名:ナジフロキサシン)

抗生物質の一種で、アクネ菌を含む細菌の増殖を抑える作用があります。軽度から中等度の炎症性ニキビに使用されます。

・内服薬

ビブラマイシン(一般名:ドキシサイクリン)

テトラサイクリン系抗生物質で、細菌のタンパク質合成を阻害することでアクネ菌の増殖を抑制します。また、抗炎症作用も持ちニキビの炎症を軽減します。中等度から重度の炎症性ニキビに使用されます。他の抗菌薬に比べて胃腸障害が少ないです。ただし、カルシウム、マグネシウム、鉄などと一緒に摂取するとキレート形成により効果が低下します。これらと服用する場合は4時間は間隔を空けて服用しましょう。キレート形成はミノマイシンも同様に起こります。

ミノマイシン(一般名:ミノサイクリン)

ミノサイクリンもテトラサイクリン系抗生物質で、細菌のタンパク質合成を阻害し、アクネ菌を含む細菌の増殖を抑制します。ビブラマイシンよりも炎症抑制効果が強いとされています。ただし、まれに肝障害や皮膚や爪の色素沈着、聴覚障害な等が起こることがあるため注意が必要です。

ビタミン剤(ビタミンB群・C群)

ビタミンB2やB6は皮脂の分泌を調整し、ビタミンCは抗酸化作用により炎症を抑える効果があります。補助療法として処方されることが多く、肌をキレイにする目的で処方されることが多いです。

日常的な対策

前回の内容でお伝えしたとおり腸内環境を整えることで、ニキビの予防や改善が期待できます。また、運動や睡眠もお肌の健康には欠かせません。日常的に取り入れられるものを解説していきます。

・食事

特に水溶性食物繊維の多い食品や発酵食品、腸内細菌の餌となるオリゴ糖を多く含む食品やポリフェノール類が多い食品が良いです。

具体的には

水溶性食物繊維:わかめ、昆布、オクラ、なめこ、ごぼう、アボカドなど。

発酵食品:ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌など。

オリゴ糖を含む食品:玉ねぎ、アスパラガス、バナナなど。

ポリフェノールが豊富な食品:緑茶、カカオ、ベリー類。

です。

また、アジやイワシ、鯖などの青魚やサーモン、ナッツ、亜麻仁油に含まれるオメガ-3脂肪酸は炎症を抑制するためおすすめです。抗酸化作用の強いビタミンEも多く含まれているので健康的な肌の維持には欠かせません。是非日々の食事に取り入れましょう。ナッツは1日あたり片手掌に少し山になる程度食べるのがおすすめです。

・運動

ウォーキングやジョギングで発汗することにより皮膚表面が弱酸性となります。これにより細菌の繁殖が抑えられます。また、汗と共に殺菌成分が分泌される為、適度な運動は欠かせません。目安としては1週間あたり3時間。1回30分~1時間で少し息が上がる程度がおすすめです。余談ですが、脂肪の燃焼は有酸素運動をし始めてから15分程から開始されます。なので15分以内に終えてしまうと、肝臓や筋肉内の糖質のみ消費され脂肪の燃焼にはつながりません。ダイエットをしたいと思っている方は是非15分以上続けてウォーキングやジョギングをしてみてください。

・睡眠

ホルモンバランスを整える意味でも十分な睡眠は不可欠です。腸内環境との関連も深いので十分な睡眠はマスト。睡眠と腸内環境については今度解説します。

・水分摂取

最後に水分摂取の重要性について

水分不足は皮膚の乾燥を助長します。1日に1.5リットル程度の水分をこまめに摂取することで、腸内環境の改善と肌の保湿に役立ちます。個人的には水分摂取が食事や生活習慣の改善の中で最も重要で、簡単に始められ、効果的な習慣だと思うので是非!!!

水分不足は肌の乾燥だけでなく、便秘や免疫力の低下、集中力の低下、頭痛や膝などの関節の痛みなど多岐にわたります。

水分摂取と腸内環境の関係に関しても今度解説する予定です。おすすめの水分摂取の方法としては1時間に2~3口の水をこまめに飲むこと。水の種類(軟水、硬水)や水道水、ミネラルウォーターの違いなどはありますが、まずはとにかくなんでも良いので水を飲みましょう。

(まとめへ行く前に是非水分摂取を!!)

まとめ

ニキビと腸内環境は深く関連しています。特に抗生剤を内服している場合は、腸内細菌バランスが崩れやすいため、食生活や運動、睡眠など日々のケアで腸活を意識することが重要です。皮膚の健康だけでなく全身にも影響しているかもしれません・・・。

抗生剤などの薬剤と腸内環境の関係性に関しては別の機会に解説します。また、抗生剤よりも腸内環境に影響を及ぼす薬剤があることをご存知ですか?皆さんも一度は聞いたり使ったことがあるあの薬の方が意外にも腸内環境に影響を及ぼしていると論文で発表されました!その辺りも気をつけていきたいですね。また、腸を整えることで、肌の改善だけでなく心身の健康にも良い影響をもたらします。脳と腸が関係していると行ったことは昨今言われてきておりますが、腸は思っている以上に重要な臓器です。今後も是非このブログを活用し、日々の健康に役立ていただけると嬉しいです。

今回は腸とニキビの健康に関して解説しました。

少しはお役に立ったでしょうか?

また次回お会いしましょう。

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